なんとなくの心を肯定して癒す娘

なんとなくの心を肯定して癒す娘

 

「なんとなく、という感覚を大事にしてあげてください」
<命>は優しくそう言った。

「あなたの心を大切にしてあげてください」

「今日はなんとなく、という事につ いてお話致しますね」

これもある人に教えてもらった事なのにすが、と俺の方を見ながら彼女は言った。

「なんとなく、という行為にはその人の色々な気持ちが入っていると思うんです」

「その人が生きていきた中で経験した事がふっと表に出てくる。水底から泡が水面に浮き上がってくるように。ふと出てくる答え。
それが『なんとなく』だと思うんです」

「なんとなく、には実はたくさんの理由があると思うんです」

「あなたの自然の心がなんとなくに入っていて……
あなたのしたい事がなんとなくにも入っていて……あなたの経験がなんとなくに入っていると思うんです」

「す、すいません、わかりづらかったですよね」
彼女がわたわたと両手をふった。なんとなく、珍しいなと思った。

「その人が心で求めてるのが『なんとなく』だと思うんです」

「何かを大きく傷つけるものではない限り時には『なんとなく』やりたい事やしたい事を決めていいのではないでしょうか」
「それは心が求めているという事ですから」

「あなたの心に素直になってくださいね」

「あなたの、なんとなくは立派な理由なんですから」

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